栽培の特徴
種類 | 科目 | 土壌Ph | 連作障害 | 栽培難易度 |
ジャガイモ | ナス科 | 5.5~6.0 | あり2年~3年 | ☆☆ |

メークイン
基本情報
- 科名属名:ナス科ナス屬(ソラヌム屬)
- 原産地:南米大陸アンデスの高地
- 草丈樹高:50㎝~60cmくらい(地上部)
- 特徴:多年草(宿根性)耐寒性
- 日照条件:日なた
- 生育適温:15℃から24℃(20℃前後が最適)
- 水やり:必要なし
- 種播き:種イモ 春植え2月下旬から3月 秋植え8月下旬~9月中旬
- 開花期:5月中旬から下旬
- 収穫期 5月中旬~6月中旬 11月中旬~12月上旬
- 種イモの植え付けから収穫までの期間 90日前後
生育の適温は15℃から24℃です。
春先の代表的野菜のひとつです。
ジャガイモは、新年最初の植え付けになる場合が多いようです。
連作障害
ジャガイモはナス科の野菜で、連作障害ががあります。ナス科の野菜を植えた場所では2年から3年あけて作付けしてください。
栽培スケジュール

ジャガイモの栽培は簡単です
畑の準備
土つくり
- 適正土壌pHは5.5~6.0です。
- ジャガイモは弱酸性の土壌を好みます。極端に酸性に傾いた土壌以外は、苦土石灰はなしで大丈夫です。
- Phが7.0を超えると「ソウカ病」にかかりますので注意が必要です。
- さらに7日から10日前までに、堆肥を施し深く耕します。堆肥の目安は1㎡あたり約2kgの完熟牛糞たい肥です。元肥は植え付け時に与えますので今は施肥しません。
- 十分い根を広げて養分を吸収できるように25cm~30cmくらい深めに耕します。
- 畑の石や木片など根の障害になるようなものは取り除いておきましょう。

畑の準備
畝立て
- 幅60cm高さ10cmほどの畝を立てマルチを張ります。
- マルチを張ることで土の跳ね返りによる病気を防ぎ、土を保温し生育を促進んしてくれます。
- マルチはなくても大丈夫です。土寄せや、追肥の時はマルチがないほうが便利ですが、雑草が生えやすかったり、地温が上がったりで生育にはマルチがあったほうがいい場合が多いようです。
栽培管理
種イモの準備
種イモは園芸店などで種イモ専用の芋を購入します。
スーパーで買った芋や自分で収穫した芋は、ウイルス性の病気を持っている場合があります。
園芸店などでウイルスフリーのものを買入することができます。
種イモの芽出し(浴光育芽 よくこういくが)
植え付け1カ月ほど前に種イモに日光を当てて芽を出す作業(浴光育芽)を行います。
芽出ししておくことで、植え付けからの生育が早くなります。
①平らなトレイなどに種イモを広げておきます。互いに重ならないように間隔をとって並べておきます。
(雨の当たらない明るい軒下や窓際などに1か月ほどおいておきます。)
②種イモの裏と表の両方に光が当たるように週に1回の割でひっくり返します。
③種イモから芽が出てきたら完了です。
種イモを切断する
種イモは、芽の数がある程度均等になるように切断して植え付けると、種イモの数が増えて経済的です。
種イモの切り分け方
植え付ける大きさの目安は、切断した1片が40gから60g程度になるように切り分けます。40g以下の種イモは、切らずにそのまま植え付けます。種イモを切断する際は、縦に切ったほうが芽がそろいやすくて育てやすくなります。

重量は左が60g 大きな方が160gほどありました
切り口の処理
切り口は十分乾かしてから植え付けます。切り口が濡れている状態で植え付けると、種イモが腐ってしまって、生育が悪くなる原因になります。切り口が乾く前に「草木灰」をつけておくと腐食を防ぐ効果があります。
種イモの植え付けと株間
種イモは、畑に畝幅50cm、株間30cm確保して植え付けます。マルチを使っている場合は、マルチを突き刺して深さ10cmくらいの植え穴をあけ、ひとつの植穴に1片づつ植え付けます。
注意
植え付けは十分土が乾いている日に行ってください。雨上がりなどで土の湿り気が多いときに植えつると種イモが腐りやすくなります。
植え付け時に元肥を与えます
元肥として株間に30g程度の化成肥料を埋め込んで、軽く土をかぶせておきます。窒素分の少ないジャガイモ専用(豆類も兼用)の化成肥料などを利用するのも吉です。
植え付け後の水やり
植え付け後の水やりは不要です。
間引き(芽かき)作業
芽が伸びて草丈20cmくらいになったころに芽かきします。一つの種イモからたくさんの芽が出てきますので、生育のいい2本を残して、そのほかを全て摘み取ります。種イモごと引き抜いてしまわないように注意して、株元をしっかり押さえて摘み取ってください。
間引いた苗は、根が付いているものを選んで刺しておけば、挿し木で増やすことができます。
土寄せと追肥
土寄せについて
土寄せはジャガイモ栽培では大切な作業になります。種イモの上に新しい芋が成ります。芋が地上に出て日光に当たると緑化します。緑化したジャガイモは毒素を含み食べられませんので、土寄せをして、芋が地上に出ないように注意しなければなりません。
肥料について
もともとジャガイモはアンデスの山岳地帯の荒れ地が原産なので多肥は不要です。肥料は少なめにこまめに与えましょう。追肥は2回行います。
有機配合のジャガイモ専用の化成肥料なども市販されています。
この肥料は1kgの種イモに対して元肥と追肥を合わせてちょうど400gで行けるようです。養分の比率は窒素が若干少なめのようです。
専用肥料
ジャガイモ栽培のポイントの一つは肥料です。通常の8-8-8や10-10-10などのバランスの取れた化成肥料を与えすぎると、葉ばかり大きくなり、いい芋の収穫に至らない場合があります。若干チッソ分を控えた肥料が理想的です。
1回目の土寄せと追肥
栽培初期のジャガイモは、種イモの養分で育ちますので、肥料は全くいりません。芽かきをする頃には、自分の茎から根を出して養分を吸収するようになるので、肥料が必要になります。
土寄せ
植え付けて1カ月ぐらい経過したころ、地上に伸び出た芽が20cmくらいになり、芽かきをした後、株の周りに軽く土寄せします。この時点ではまだ芋が成長していませんので、あまり深く埋めすぎて地温を下げすぎないように注意が必要です。
追肥
土寄せの後、1回目の追肥をします。一株あたり30gの化成肥料を株間にまきます。土に自然に溶け込みますので混ぜる必要はありません。次回の土寄せの時に土に混ぜ込んでください。
2回目の追肥
株に蕾が付いてきたら2回目の追肥と土寄せをします。1回目と同じ要領で土寄せと追肥します。化成肥料30gをカブ元にまきます。
高畝にする
追肥後、さらに土寄せするか、新しい土を入れて高畝にします。この最後の作業がジャガイモの収穫に大きく影響を与えます。土の中のジャガイモが地上に出て日光を浴びると緑色に変色して品質が低下します。光が当たらないように、しっかり土をかぶせてください。
花摘み
養分を花の熟成にとられないように、花は蕾のうちに摘んでしまいます。
収穫
ジャガイモの収穫のタイミングは、葉や茎が黄色に変色し枯れたころが収穫適期です。収穫が遅れると芋が土中で腐ってしまったり、おいしくなくなったりしますので、収穫のタイミングを逃さないのがポイントです。
雨の日や、雨が続いた日は収穫を避けてください。晴天が数日続いて畑が乾いているときに収穫すると、元気な保存性のいいジャガイモが収穫できます。
保存前の処理
ジャガイモは収穫後、畑で半日ぐらい表面の皮を乾かしてから、段ボール箱などに入れて、日の当たらないところに保存します。土を付けたままのほうが長く保存できます。
コンパニオンプランツ
〇 混植に適している植物 GOOD
ニラ(互いの生育を助け合う)
ダイコン(大根の害虫を遠ざける)
ホウレンソウ(相性がいい)
× 混植に適していない植物 BAD
ナス科の植物全般(互いに生育を悪くする)
ウリ科の植物全般(根こぶ線虫を増大させる)
オクラ(根こぶ線虫を増大させる)
〇 跡地に適している野菜 GOOD
× 跡地に適していない野菜 BAD
トマトの後作には適していません(連作障害)
ナス科全般の後作には適していません(連作障害)