小玉スイカ栽培の特徴
小玉スイカは、ウリ科の人気野菜です。春に植えつけて栽培する夏野菜の代表の一つです。スイカを栽培するにはかなり広いスペースが必要になりますが、小玉スイカは、大玉スイカより、割と手軽に栽培できるのが特徴です。つる性の植物で、地面にはわして育てるのが常ですが、小玉スイカは、支柱を立てて立体栽培することもできます。
- つる性の植物で立体栽培することもできる
- 大玉のスイカより収穫の個数は多い
- 大玉スイカより栽培は若干容易である
- 根が浅く横に広がって育つ
- うどんこ病などの病気が発生しやすいので注意
- つるの剪定や誘引、受粉作業が必要
- 接木苗を使うのが一般的(連作に弱い)
小玉スイカの栽培カレンダー
小玉スイカの植え付け
栽培環境
- 日向を好む
- 生育適温は25℃から30℃℃前後
- 連作障害:あり
- ウリ科の植物
- 輪作は5年~7年あける
日当たり
日向を好みます。
生育適温
生育適温は25℃から30℃前後です。暑さを好む真夏の野菜です。
連作障害
ウリ科の植物ですが、かぼちゃなどと違い、強力な連作障害があります。同じウリ科の植物を5年から7年間育てていない場所に植えつけてください。
栽培期間
小玉スイカの栽培期間は、植え付けから収穫まで90日から120日前後です。
畑の準備
- 適正土壌酸度はPh5.0~6.5
植え付けの2週間前くらいに苦土石灰や、消石灰などを畑に混ぜ込んで土壌酸度を弱アルカリ性からアルカリ性に調整しておきます。植え付けい週間前までに、堆肥と元肥を施してよく耕しておきます。
堆肥と元肥には、牛糞や豚糞に鶏糞、化成肥料などを混ぜて使用するとよいでしょう。
土壌適正酸度
Ph5.0~6.5です。弱アルカリ性の土壌を好みますが、どちらかとゆうと、日本の風土に適していて育てやすい野菜です。
畝
畝幅60cm~70cmくらいに1列で栽培します。子づるが伸びるので余裕があれば株間は、多くとったほうが育てやすくなります。
畑で栽培する場合は、敷き藁やマルチなどで栽培すると、土の跳ね返りを防ぎ、さらに雑草の繁殖を防いで除草の手間も省けます。
株間
- 株間は100cmから120cm
あまり込み合って植え付けると、害虫が発生しやすくなります。風通しには注意して株間をとってください。子づるを伸ばしながら栽培するので、株間は必要です。
種まきのコツ
- 種まきの時は、ポットにまくか直接畑に、5粒ぐらい点播きして1cmほど盛り土しておく
- 種から育てるより、接木の苗を使ったほうが良い
ポットにまく場合は、5粒づつ播いて1cmくらい盛り土してたっぷり水を与えてください。そのあと、本葉2枚から3枚の時に2本立ちにして、最終的には2本のうちどちらかを残して、1本立ちにして栽培していきます。通常は、自生苗は、連作障害などに弱いので、接木の苗を使います。
接木の苗を使用している場合、台木の部分から伸びてきた芽は、その都度切りとって、養分を台木にとられないようにしましょう。
植え付けのコツ
- 苗植え付け器などで、マルチの上から穴をあけて、水を注いでしばらく待ってから植え付ける
- 植え付けには、病気に強い接木苗がお勧めです
植え付けは、通常通りで、植穴に水を入れて、水が土に浸透してから苗を植え付けます。
スイカは連作障害が出やすい野菜です。植え付けには、少々値段は高くなりますが、接木の苗を植え付けることをお勧めします。
接木の苗を植え付ける際は、継ぎ目の部分を土の中に入れてしまわないように注して、浅植えしてください。接木部を土の中に植えてしまうと、スイカからも根が出てしまい、結局、自生苗と同じ状態になってしまいます。
スイカの追肥
スイカの根は、比較的浅く横に広がっていきます。肥料焼けには注意が必要です。あまり多くの化成肥料を一度に与えると、肥料焼けしやすいので、少量をこまめに与えると良いでしょう。
また、つるボケもしやすいので、初期段階での多くの肥料は必要ありません。追肥のタイミングをしっかり押さえておきましょう。
1回目の追肥は、植え付けから2週間後くらいで、5節目~6節目くらいまで育ってきた頃に、約60gの化成肥料を株元にパラパラまいて軽く土になじませておきます。
2回目の追肥は、果実の直径が8cmくらいに成長したころに行います。約60gの化成肥料を実の近くにパラパラまいて軽く土になじませておきます。
3回目以降は、そのあと2週間に一度の割合で、2回目と同じ要領で行います。
- つるボケしやすい
- 肥料焼けしやすいの注意
- 追肥はタイミングよく
- 3回目以降の追肥は2週間に一度栽培終了まで行う
- 1回目の追肥は、定植から2週間後くらいに5節まで育ってから
- 1回目の追肥後に軽く土寄せする
- 2回目以降の追肥は、実の大きさが8㎝~10cmくらいの時行う
- 追肥量はいずれも一株当たり50から60gが目安です
- 追肥は根を痛めないように、株元や実のそばに、パラパラまいて軽く土になじませる
追肥の時期
1回目の追肥は、植え付けから約2週間後ごろ、5節目から6節目まで育ったころです。
2回目は、実の大きさが8㎝くらいになったころ追肥します。
3回目以降の追肥は、そのあと2週間おきに栽培終了まで行います。
追肥の方法
根が浅く横の広がって成長します。根を痛めやすいので、肥料焼けや根を傷つけないように注意してください。追肥する際は、化成肥料を株元に約50g、軽く片手一握り程度を株元に播いて、土となじませて軽く土寄せしておきます。2回目に追肥する場所は実がなっているあたりにほどこし、3回目以降は、外に向かって徐々に広げていくと良いでしょう。
マルチを利用している場合は、植穴を少し広げてやると、そこから追肥することができます。
スイカの摘芯と仕立て方
スイカ栽培の特徴の一つに、親づると子づる、孫つるの剪定と誘引作業があります。摘芯は人口受粉作業とともにスイカ栽培には欠かせない作業です。
- 親づるは5節目殻6節目で摘芯
- 子づるは、2本から4本残して剪定しておく(2本から4本仕立て)
- 孫つるは適度に摘み取って整理しておく
親づるの摘芯
スイカには、親づるにあまり雌花を咲かせない性質があります。雌花は主に、子づるにつくので、親づるは5節目ぐらいで摘心して、子づるを出してあげましょう。
子づるの剪定
親づるの摘芯で子づるの勢いが増します。子づるは放任すると収拾がつかなくなり、実に養分がいきわたらなくなりますので、勢いの良い子づるを2本から4本ほど残して(大玉の場合2本小玉で4本くらい)、ほかは摘み取ります。
孫づるの処理
子づるを育てていると、葉と茎の間から脇芽(孫づる)がたくさん出てきます。孫づるは放任してもかまいませんが、あまり増えてくると邪魔になりますので、適度に孫づるを殺菌したはさみで切り落とします。清潔な鋏を使わないと、切り口から病気が入ってしまう事がありますので注意してください。またはさみを使わないで、手で引きちぎるのがいいのですが、注意しないと余計なとことまで一緒にちぎってしまうことがあります。
スイカの摘果
1つの株で、いくつのスイカを育てるかは、大変重要です。たくさんの実を同時に育てると、どうしても養分のいきわたりが悪くなります。実が小さいうちに摘果して、養分のいきわたりを良くしておきましょう。
- 養分の分散を防止するため摘果する
小玉スイカでは通常1本苗に2個から3個までにして、大玉の場合1本のつるに1個を残してそのほかの実は大きくなる前に摘果します。
スイカの水やり・トンネル・支柱・間引きなどやその他の作業
- 栽培期間が長いので、マルチなどで雑草の侵入を防ぐと除草の手間が省ける
- 小玉スイカは立体栽培も可能
- 乾燥しやすいので、栽培期間を通じて注意が必要
- 摘芯や誘引が必要です
- 人工授粉が必要
水やり
水やりは、乾燥したらたっぷり水やりしてください。苗が定着してからも、根張りが浅く広いので、意外と乾燥しやすいので注意が必要です。夏場の日照りの時期には水やりが必要です。
土寄せ
強い茎を作るためにも、株が小さい頃は、追肥の際に軽く土寄せをしておきます。根を痛めないように注意が必要です。
支柱
支柱とネットなどで立体栽培が可能です。
トンネル
トンネルは、必要ありません。
スイカの人工授粉
人工授粉して確実に結実させてください。
- 人工授粉は晴れた日の午前に行う
- 雄花と雌花が同時に咲いていないと受粉できない
スイカ栽培の中では、大変重要な作業です。通常は人口受粉しないと、なかなか結実しません。必ず人工授粉していきましょう。
スイカの花は、かぼちゃやズッキーニの花よりも小さいので、人口受粉するのも、結構デリケートな作業です。
人口受粉の時間帯
人工授粉は、晴れた日の朝、午前10時くらいまでに行います。雨の日に受粉しても、うまく受粉できない時が多いようです。
人工授粉の方法
人口受粉委は、雄花と雌花が必要で、雄花と雌花が両方同時に開花している必要があります。雌花が咲いていても、雄花が咲いていなければ、残念ですが人工授粉することができません。
雄花と雌花の違い
1⃣花の付け根が膨れているのが雌花です。
2⃣花の付け根が膨れていないのが雄花です。
受粉作業
⓵雄花と雌花が同時に開花していることを確認する。
⓶雄花を一輪、摘み取って黄色い花びらを取り除き、花粉の付いた雄蕊をとり出します。
⓷雌花が咲いているところに雄蕊をもっていって、雌花の中心に雄蕊を付けて受粉します。
玉直し
- 玉直しが必要
スイカを地面を這わして育てていると、できた実が地面に接している部分に、日光が当たらず緑色にならない、グランドマークと呼ばれる、変色したように見える部分ができます。
玉直しで裏面にも日光が当たるように、ひっくり返します。へたが取れてしまわないように気を付けてゆっくり動かしましょう。
その他の作業
- 乾燥やうどんこ病の発生に注意
特にありませんが、害虫や乾燥、うどんこ病などの病気の発生には気を付けてください。
間引き
孫つるの間引きや摘果が必要です。
その他の作業
特にありません。
スイカの収穫
スイカの収穫時期の判断は、実の中身が成熟しているかどうかの判断です。実だけ見ていても、中身がどうなっているかわかりにくいので、判断が難しいところです。
- 1番目の実は開花から40日、2番目以降は、35日が収穫の目安
- ヒゲが茶色く枯れてくると収穫
- 叩いてみて、ポンポンと良い音がすると収穫
収穫時期
植え付けから収穫までの期間は、90日から120日くらいです。受粉日からの収穫の目安は、1番果は開花から40日程度から、2番果以降は、35日で収穫できます。あらかじめ開花日を記録しておいて、収穫日を予定しておくと、判断しやすくなります。
収穫の目安
長さや大きさは品種によって異なりますが、実が成長してある程度の大きさになったら収穫します。収穫のサインは、果実の付け根あたりに伸びているのひげのようなつるを巻き付ける部分(まきひげ)が茶色く硬くなり、枯れたようになってきた時が収穫適期です。開花から一番目の実は40日、2番目以降の実は30日から35日で収穫期を迎えます。
また、たたいてみて、ぽんぽんといい音がしたら収穫のサインです。スイカは外見からは、収穫の時期を見分けるのが難しい野菜ですので、実の近くにしるしを立てて、受粉日を書いておけば収穫しやすくなります。
収穫方法
ハサミで実を切り取ります。
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