🍆栽培の特徴🍆
種類 | 科目 | 適正土壌pH | 連作障害 | 栽培難易度 |
ナス | ナス科 | 6.0~6.5 | あり 輪作4年~5年 | ☆ ☆ |
🍆基本情報🍆
- 科名属名:ナス科ナス属
- 原産地:インド
- 分類:半耐寒性,一年草,草木
- 日照条件:日なた
- 生育適温:30℃前後
- 水やり:乾燥したらたっぷり水やり
- 特徴:連作障害が表れやすい野菜です。トマトやピーマンなど、ナス科の野菜を植えた畑では、4~5年経ってから植えつけましょう。多肥料を好む野菜です。肥料切れしないように追肥してください。
- 樹高:低木(30cm~1.5m)
- 種まき期:3月下旬~5月
- 植えつけ期:4月下旬~5月中旬
- 開花期 5月~10月上旬
- 収穫期 5月下旬~10月中旬
- 植えつけから収穫までの期間 60日前後
- 開花から収穫までの期間 20~25日くらい
ナス科
ナスは、トマトやピーマン、獅子唐やジャガイモと同じナス科の1年草で、うまく育てれば初夏から秋口まで、大変長い間収穫できます。通常花が咲くと、みつきがよく、無駄花のない野菜と言われています。みつきがいいため、うまく剪定しながら栽培すると、1本の苗からワンシーズンで、100~150個以上のナスの実を収穫することもできるくらい多収穫の野菜と言われています。(実際、私の場合そんなに取れたことは自分はありませんが)肥料切れさせないように気を付けましょう。ちなみに関西地方では昔から、なすびと呼ばれています。
古くから日本で親しまれ、日本各地で栽培されてきた日本の代表野菜の一つのように思われますが、原産地はインドです。ナスといえば紫色の細長いナスビ型(?)の野菜を想像しがちですが、実際ナスには多くの品種が存在し、色や形のたくさんの品種が存在しています。
ナスの代表的な品種
中長ナス
スーパーでよく見かけるのがこのタイプです。最も多く流通してい品種のナスで、長さ15㎝前後、重さは100g前後です。苗店でよく見かけるのは一代口交配品種の「千両2号」などです。どんな料理にも利用しやすいオールマイティーな品種です。
長ナス
長ナスは長さ20~30cmくらいに成長するナスの品種で、日本各地で栽培されています。中でも特に栽培量が多いのは九州地方で、在来の品種として「久留米長ナス」や「熊本赤茄子」などが古くから栽培されてきました。在来品種は栽培が難しく収穫量も比較的少ないことが多く、自分も何度かチャレンジしましたが、実際、一般的な長ナスと比べて半分以下しか収穫できませんでした。
宮城県特産の「仙台長ナス」は大きく育てずに、10cm前後の小茄子のうちに収穫し、長ナス漬けにします。漬物にしない場合は、そのまま大きく育てることも可能です。
水ナス
古くから日本で栽培されてきたナスの一つで、皮と果肉が柔らかく水分が多いのが特徴です。大阪府の堺市、貝塚市、岸和田市などの泉州地方で栽培されてきました。一般的にナスは、あくが強くて生食には向かない野菜ですが、水ナスは、みずみずしい食感で、生食にも向いており、主に漬物用として利用されています。重さも水分が多いせいで、中長などよりも、一割ほど重くなります。
水ナスの歴史は古く、室町時代の「庭訓往来(ていきんおうらい)」にも「澤茄子(みづなすび)」の名で登場し、当時は、柑橘類やまくわうりと並び、時節の菓子(水菓子)として食べられていたようです。
青ナス(白なす)
「青なす」や白なすは、果皮が緑色や白色をしたナスの総称です。色や形や大きさも様々な、多くの品種が存在しています。
通常、ナスはアントシアニン色素によって皮が紫色をしていますが、青なすはその色素を含まないため緑色や白色になります。上の写真のような淡い緑色のナスも、関西では「白なす」と呼ばれることが多いようです。
青ナスや白ナスは皮がしっかりしていて、加熱すると果肉がとろけるような食感になるのが特徴です。若干甘味があって口当たりが柔らかく、焼きなすや煮物、揚げ物や、バター焼きなどいろいろな料理に利用されています。
丸ナス
名前の通り球形のなすで、まん丸のものや、偏平な巾着型、さらには下部がふっくらとした巾着型のものもあります。
名前の通り球形のなすで、まん丸のものや、偏平な巾着型、さらには下部がふっくらとした巾着型のものもあります。有名な丸ナスの品種は、京野菜の「加茂なす(かもなす)」があります。直径が10~15cmくらいと大きくソフトボールのような形をしているます。歯ごたえがよく、煮崩れしにくいので、焼いたり煮たり揚げたりといろいろな料理に使われています。
奈良県で作られる大和野菜の1つ「大和丸なす」も、有名な丸茄子の品種の一つです。直径が約10cmと大型になります。
大型の丸なすとしては、その他、「早生大丸ナス」というF1(一代交配)品種があり、こちらも肉質は緻密で食べ応えがあります。
巾着型としては、新潟県の「長岡巾着ナス」や「魚沼巾着ナス」「新潟黒十全ナス」、長野県の「小布施丸ナス」などが有名です。
米ナス
米ナスの皮はしっかりとしていて、果肉もかたく、煮崩れを起こしにくいことから、煮物や焼きナス、ステーキなどによく利用されています。火を通すことで油やダシを吸収し、味わいが豊かになります。米ナスはアメリカ合衆国産の大型品種をもとに国内で改良されたなすで、サイズが大きいのが特徴です。一般的ななすが120~150g程度なのに対して、米ナスは300~400gくらいあり、通常ナスのヘタは濃い紫色ですが、米ナスのヘタは緑色をしています。
小ナス
大きく育つ前に早摂りした小ぶりのナスの総称です。主に漬物に利用されています。
栽培のコツ
栽培期間や適正気温
ナスの栽培期間は長く、苗の定植からでも通常150日以上です。生育の適温は30℃前後と高温で、温暖な環境を好みます。
連作障害
ナスは連作障害が起きやすい野菜です。他のナス科の野菜を栽培したところでは3年から5年くらいあけてください。
同じ場所でナスを育て続けると、土壌障害が発生します。よい微生物が減り、悪い微生物が増え、結果悪い病原菌が増え続けます。病原菌が増えると、特定の病原菌が作物について繁殖していきます。さらに、同じ先もつの定植を繰り返すと、悪い病原菌が大繁殖してしまい、土壌に病原菌がいっぱいになってしまい、作物の成長に悪影響を及ぼします。
栽培スケジュール
畑の準備
土つくり
- 種まきの2週間ぐらい前に畑に苦度石灰をまき土壌を中和し、よく耕します。適正土壌pHは6.0~6.5です。
- さらに7日から10日前までに、元肥を施し深く耕します。元肥の目安は1㎡あたり約2kgの完熟たい肥です。同時に化成肥料を施肥しておくといいでしょう。
- 畑の石や木片など根の障害になるようなものは取り除いておきましょう。
畝立て
- 水はけを良くするために、幅60cm高さ10cmほどの畝を立てマルチを張ります。
- マルチを張ることで土の跳ね返りによる病気を防ぎ、土を保温し生育を促進んしてくれます。
栽培管理
種まき、植え付けと株間
- 種から育てる場合は、ポットなどに3粒以上パラパラっと播き、1cmほど軽く盛り土しておきます。
- たっぷり水をやり、本葉2枚~4枚のころから段階的に間引き、最終的に1本立ちにします。
- 家庭菜園では、ナスは苗から栽培するのが一般的です。少々値段は高くなりますが苗を買うときは、病気などにも強く連作障害の出にくい接木苗をお勧めします。
- 植え付けの株間は、50cm~60cmぐらい確保して(60cm以上あればなお良し)、マルチに穴をあけて植えつけます。
- 植え付け後は風で倒れないように仮支柱を立ててやります。
トンネル
- 苗が小さいうちは害虫から守るためにネットや不織布でトンネルを作っておくと、冷間対策や鳥よけ害虫対策にもなります。
仕立て方
3本仕立て
支柱
3本仕立てで育てる場合
3本仕立てで育てる場合、150cm以上の支柱を3本用意して主枝と育てる脇芽2本に沿って支柱を建てます。3支柱を互いにクロスさせるようにして土中に刺して、交わったところを麻紐やナイロンの日もなどで縛ると固定できます。3本の枝をそれぞれの支柱に沿って誘引しながら栽培するようになります。
支柱の立て方についてはより詳しくこちらのページにまとめてありますので参照してください。
追肥
「ナスは肥料食い」と言われるくらい肥沃な土を好みます。こまめに追肥して肥料切れを起こさせないように育てましょう。ナスは根を深く伸ばし成長していく野菜ですので、株の周りにスコップや棒などで数か所穴をあけて施肥してあげましょう。追肥の頻度は役2週間に一度くらいで、収穫終了まで続きます。
一回の追肥量は、一株当たり化成肥料で片手一握りぐらいを目安に成長を見て行います。
また、施肥する場所は、株の成長に従って根の外周も広がっていきます。はじめは株元から10cmから15cmくらい離れたとことに与え、その後は成長を見ながら株から徐々に離れた位置に施肥していくことになります。
肥料切れのサイン
ナスの花を見ると中央に雄蕊(おしべ)と雌蕊(めしべ)があります。よく見ると真ん中に1本の雌蕊(めしべ)があり、それを囲むように円形に雄蕊(おしべ)がいくつか配置されています。通常この真ん中の雌蕊(めしべ)が周りの雄蕊(雄蕊)よりも長く伸びて飛び出しています。
それに比べて、肥料が切れてくると真ん中の雌蕊(めしべ)が周りの雄蕊(おしべ)と同じくらいの長さで、明らかに長さが短くなっているのが分かります。
雌蕊(めしべ)の長さが短いときは、株が肥料を欲しがっていいるサインです。
収穫
長さや大きさは品種によって異なりますが、実が成長してある程度の大きさになったら収穫します。
ナスは一般的にたくさん花を咲かせて、その花がほとんど実になります。また、実の成長と同時に、ほぼすべての葉の脇から脇芽が伸びてきて、ほっておくと枝が密集して、日陰を作って葉に十分な日光が当たらず、実の成長の障害になります。
伸びた脇芽にもまた花が付き実がなるのですが、それをそのまま育てていくと養分も十分にいきわたらず、いわゆる「株が疲れた状態」になります。
株を疲れさせないように、剪定をしながら収穫すると効率的に収穫することができます。
ナスの効率的な収穫方法については別のページでまとめて特集したいと思います。
ナスの効率的な収穫方法についてはこちらをご覧ください。
コンパニオンプランツ
〇 混植に適している植物 good
野菜類
- 枝豆
- パセリ(キアゲハを遠ざける)
- ネギ類
- ほうれん草
花類 ハーブ類
- マリーゴールド(虫よけ)
- サルビア(虫よけ)
- カモミール(虫よけ 野菜を元気にする)
- ミント(虫よけ)
- バジル
〇 前作に植えるとよい植物 good
- トウモロコシ
- マリーゴールドなど
〇 後に植えるとよい植物 good
- キャベツ
- ブロッコリー
× 混植に適さない植物 bad
-
- ナス科全般の野菜との混植は互いに生育を妨げる