栽培の特徴
- 種類:キュウリ
- 科目:ウリ科
- 適正土壌酸度Ph:5.5~7.0
- 連作障害:あり 輪作2年から3年
- 栽培難易度:☆☆
基本情報
- 科名属名:ウリ科キュウリ属
- 原産地:インド北部 ヒマラヤ山脈山麓
- 分類:半耐寒性,一年草,ツル性
- 日照条件:日なた
- 生育適温:18℃から28℃前後
- 水やり:根が浅く水きれさせないように注意する
- 特徴:連作障害が表れやすい野菜です。他のウリ科の野菜との連作は避ける
- 樹高:低(30cm~つる性)
- 種まき期:3月中旬~5月
- 植えつけ期:4月中旬~5月上旬
- 収穫期 6月~8月中旬
- 植えつけから収穫までの期間 45日前後
- 開花から収穫までの期間 7~8日くらい
キュウリの原産地は、インド北西部ヒマラヤ山麓地帯です。胡瓜(きゅうり)の栽培の歴史は古く、西アジアですでに、3,000年以上前から栽培されていた記録があります。中国へは紀元前122年に導入され、6世紀初頭には中国全土に広く普及しています。「胡瓜」の名前から、シルクロードから伝播したことがわかります。
驚くことに、唐の玄宗皇帝の時代の740年頃には、すでに火室を用いた促成技術が発達しており、寒い2月中旬にもキュウリが生産されていた記録が残っています。日本へは、マクワウリに続いて10世紀より以前に伝来しており、『本草和名』(918年)にも「胡瓜」の名が記されています。
キュウリの生育適温は18~28℃で、冷涼な気候を好みますが、霜には弱いため、10~12℃以下では生育しません。
胡瓜(キュウリ)の苗は成長が早く、発芽から収穫までおよそ45日から60日と、果菜類のなかでは短いのが特徴です。さらに、たくさん花をつけ、開花から7日程度で収穫時期になるため、収穫適期を逃さないようどんどん収穫することが大切です。
胡瓜(きゅうり)の代表的な品種
一般的な白いぼ胡瓜と黒いぼ胡瓜
スーパーでよく見かけるのがこのタイプです。最も多く流通してい品種の胡瓜で、全国各地で栽培、出荷されています。表面の皮に針状のものが付いているのですが、白い刺(とげ)のものと、黒い刺(とげ)のものがあります。春どり早生種には黒いぼが多く、低温にも強い品種が多くあります。白いぼは夏どり用の品種に多く見られます。
イボなし胡瓜
品種フリーダムに代表されるイボのない胡瓜もあります。
加賀太胡瓜
石川県の加賀野菜の一つで昭和11年に金沢で交配された品種で、直径6cm~7cmほどあり重さも600gから800gのものもあります。
栽培のコツ
栽培期間や適正気温
胡瓜の栽培期間は実をならせる野菜の中では短いほうで、苗の定植から通常60日から80日前後です。生育の適温は18℃から28℃前後と夏野菜の中ではわりと冷涼な環境を好みます。しかしながら、アブラナ科などの野菜とは違い霜には弱く、冬越しはできません。
連作障害
胡瓜は連作障害が起きやすい野菜です。他のウリ科の野菜を栽培したところでは2年から3年くらいあけてください。
栽培スケジュール
畑の準備
土つくり
- 種まきの2週間ぐらい前に畑に苦度石灰をまき土壌を中和し、よく耕します。適正土壌pHは5.5~7.0です。
- さらに7日から10日前までに、元肥を施し深く耕します。堆肥の目安は1㎡あたり約2kgの完熟たい肥です。同時に化成肥料を施肥しておくといいでしょう。
- 畑の石や木片など根の障害になるようなものは、取り除いておきましょう。
畝立て
- 水はけを良くするために、幅60cm高さ10cmほどの畝を立てマルチを張ります。
- マルチを張ることで土の跳ね返りによる病気を防ぎ、土を保温し生育を促進んしてくれます。
栽培管理
種まき、植え付けと株間
- 家庭菜園では通常苗から育てるほうが一般的ですが、種から育てる場合は、ポットなどに3粒から5粒以上パラパラっと播き、1cmほど軽く盛り土しておきます。
- たっぷり水をやり、本葉2枚~4枚のころから段階的に間引き、最終的に1本立ちにします。
- 家庭菜園では、キュウリは苗から栽培するのが一般的です。少々値段は高くなりますが苗を買うときは、病気などにも強く連作障害の出にくい接木苗をお勧めします。
- 植え付けの株間は、40cm~50cmぐらい確保して、マルチに穴をあけて植えつけます。
- 植え付け後は、しばらくして苗が伸びてきたら、風で倒れないように、またまっすぐ上に伸びていくように誘引してあげましょう。
立体栽培の仕立て方
ツルの選定作業
キュウリは放任してもある程度育ちますが、脇芽がたくさん出てきます。花もたくさん咲いて実もなりますが、葉が茂りすぎて、日光が当たらなかったり、栄養もいきわたりません。風通しも悪くなり、病害虫も増えてきます。キュウリの立体栽培の場合、以下のような3回の剪定作業を行い効率よい収穫をすることができます。
①下葉を放置すると妨害中の増殖の原因になりますので取り除きます。
株元から主枝の5節から6節(本葉5枚から6枚のところで、地上約30cmの高さ)までに出てくる子づるはすべて摘み取ります。
②収穫量を増やすために、栄養のいきわたりを考えて子づるの成長を制限する。
6節目以上から出てくる子づるは、葉を2枚まで(1枚か2枚)残して摘芯します。そこからまた、孫づるが出てくるので、同じように2枚くらい残して先端を摘芯します。
③主枝(親づる)が長く成長して、手が届かない高さに成長して収穫しづらくなったら主枝(親づる)の先端を摘芯して成長を止めます。
親づるの成長が止まると、子づる、孫づるの成長が、より活発になります。
葉のかき取り作業
栽培途中で老化して黄色くなった葉は取り除きます。また葉が重なって日光を遮るような場合、適度に葉の書き取り(摘葉作業)を行います。
支柱の立て方
合掌式支柱の立て方
定植したい畑の畝の端に、2本の支柱を畝をまたぐ様に斜めに立てて、ちょうど畝の中心あたりの上空で交差させて固定します。
定植したい畝の片法の端(180cmくらい離れた場所ごとに一組)に同じように2本立てます。
2組のクロスさせた支柱を、支柱の上を畑とは水平に1本支柱を入れて固定し、横に倒れないように縦の支柱に、畝に沿って斜めに支柱を入れて補強します。
支柱と支柱をクロスさせて、簡単に固定するには、はめ込み式の支柱固定クリップ(クロスジョイント)が必要です。なくてもできますが、取り付け、取り外しの手間が断然はかどり支柱がきれいにできます。
支柱の立て方についてはより詳しくこちらのページにまとめてありますので参照してください。
垂直式支柱
1条植えの場合垂直式の支柱でもOKです。180㎝くらいの長さの畑に設置したい場合、2m程度の支柱を5本くらい用意します。畑の両端に垂直に立てて、垂直にたたえた2本の支柱の上下に2本の支柱を水平に通します。倒れないように垂直の支柱に斜めに支柱を添えて固定します。
その他の方法
キュウリは自賠でも栽培できますし、またプランターでも簡単育てられます。プランターで栽培する際は、あんどん仕立てや、スクリーン仕立てが有効です。
追肥
キュウリは多収穫の野菜で、肥沃な土を好みます。根が浅く広がるように成長しますので、肥料や焼けや掘り返して根を痛めないように、少量の肥料をこまめに追肥して肥料切れを起こさせないように育てましょう。一回目の追肥は定植から2週間後くらいに行います。
一回の追肥量は、1平米当たり化成肥料で60gから70gぐらいを目安に株元にパラパラまくように与え軽く土をかぶせておきます。以後成長を見ながら約2週間おきに同じように追肥を行います。
また、施肥する場所は、株の成長に従って根の外周も広がっていきます。はじめは株元から10cmから15cmくらい離れたとことに与え、その後は成長を見ながら株から徐々に離れた位置に施肥していくことになります。
肥料切れのサイン
キュウリの実が曲がったり変形が出てくるのは、肥料不足や水分不足が原因です。根張りが浅いので、敷き藁などで養生して、乾燥しないようにするのも有効です。
収穫
長さや大きさは品種によって異なりますが、実が成長してある程度の大きさになったら収穫します。キュウリの成長は早く、開花から1週間で収穫期を迎えます。朝と夕方では大きさが全く違っていて、急に成長してしまい、収穫適期を逃してしますこともあります。
キュウリもまた、一般的にたくさん花を咲かせて、その花がほとんど実になります。早期収穫を心がけましょう。株を疲れさせないように、剪定をしながら収穫すると効率的に収穫することができます。
コンパニオンプランツ
〇 混植に適している植物 good
野菜類
- ネギ類 長ネギ ハネギ(ウリハムシを遠ざける)
- 玉ねぎ(つる割れ病などの病気を抑える)
- ニンニク(つる割れ病を抑える)
- らっきょ(つる割れ病を抑える)
- トウモロコシ(互いに成長を助ける)
- カブ(互いに成長を助ける)
花類 ハーブ類
- パセリ(根元の乾燥を抑える)
- チャービル(虫よけ 野菜を元気にする)
- タンジ―(アブラムシよけ)
- ミツバ(根元の乾燥を抑える)
〇 前作に植えるとよい植物 good
- トウモロコシ
- マリーゴールドなど
× 後に植えると悪い植物 BAD
- カリフラワー
- ニンジン
- ブロッコリー
× 混植に適さない植物 bad
- かぼちゃ(生育の妨げ)
- ウリ科全般(根こぶ線虫を増やす)
- セージ(ハーブ)
- オクラ(センチュウを増やす)
- ニンジン(根こぶセンチュウを増やす)