栽培の特徴
種類 | 科目 | 適正土壌pH | 連作障害 | 栽培難易度 |
獅子唐 | ナス科 | 6.0~6.5 | あり 輪作3年 | ☆ |
基本情報
- 科名属名:ナス科トウガラシ属
- 原産地:熱帯アメリカ
- 分類:半耐寒性,一年草,草、ビニールハウスでは多年(宿根草)
- 日照条件:日なた
- 生育適温:25℃から30℃前後
- 水やり:乾いたらたっぷり水やり 極端な乾燥に注意
- 特徴:連作障害が表れやすい野菜です。トマトやピーマンなど、ナス科の野菜を植えた畑では、4~5年経ってから植えつけましょう。多肥料を好む野菜です。肥料切れしないように追肥してください。肥料切れすると辛くなります。多収穫の野菜です。
- 樹高:低木(40cm~120m)
- 種まき期:2月下旬~5月
- 植えつけ期:4月下旬~5月中旬
- 開花期 5月下旬~9月下旬
- 収穫期 5月下旬~10月中旬
- 植えつけから収穫までの期間 60日前後
- 開花から収穫までの期間 30日くらい
シシトウは、甘トウガラシの一種で、辛味がないトウガラシのグループのことです。植物学的には、トウガラシやピーマンと同じ仲間です。獅子唐の名前の由来は、でこぼこした先端部分の形が獅子の頭を連想させることからきているといわれています。
原産地は熱帯アメリカで、ピーマンと同様、トウガラシやシシトウもまた、アメリカ大陸発見時にコロンブスによって、ヨーロッパへ紹介されました。このときコロンブスは、トウガラシをコショウ(胡椒)と間違えていたため、コショウもトウガラシも英語ではペッパー(Pepper)と呼ぶことになったそうです。
日本へは17世紀ごろ、ポルトガルをから輸入されましたが、当時現地の言葉を直訳したのか、おもしろいことに現在でも、地方によっては、トウガラシが「こしょう」と呼ばれる場合があります。九州特産の柚子胡椒は、柚子の果皮とトウガラシを合わせた調味料です。また、北信越地方の伝統野菜、ぼたんこしょうは、ピーマンに似た形をしていますが、辛味が強いトウガラシの仲間です。
甘味種のシシトウの苗から、ときどき突然、辛味が強い実が混ざって実のる場合がありますが、それは辛味種のトウガラシと交雑したのではなく、水やりや施肥が適切でなかったり、虫害を受けたりして株が強いストレスを受けたことが原因です。
全国で栽培されている獅子唐ですが、国内生産量第一は高知県でシェアは全国の40%近くの3400トン以上になります。
獅子唐を含む甘トウガラシ類の代表的な品種
獅子唐
甘トウガラシの代表的な品種で小ぶりで多収穫、プランター栽培もしやすい人気品種です。獅子唐の名前の由来は、でこぼこした先端部分の形が獅子の頭を連想させることからきているといわれています。
万願寺唐辛子
万願寺を含めて細長い形をした甘トウガラシを総じて甘長品種と呼びます。万願寺唐辛子は、その名の示す通り京都府舞鶴市万願寺地区が発祥地になります。今から約100年前の大正末期ごろに舞鶴万願寺地区で、京都伏見系トウガラシの伏見唐辛子とカリフォルニア・ワンダー系のトウガラシを交配して誕生したものと言われています。皮が柔らかく果肉が分厚い、甘みがあって種が少ない食べやすい人気品種で、その大きさからトウガラシの王様と呼ばれています。収穫量は獅子唐と比べて若干少ないようです。
伏見唐辛子
もちらも万願寺唐辛子と同様に京の伝統野菜の一つで、名前の通り京都市伏見区アタリが発祥地とされています。起源は定かではありませんが、万願寺よりは明らかに古く、江戸時代の文献には、山城の国伏見の作られて甘トウガラシが有名であると記されています。形はながさ10cmから15cmくらいで、えんぴつのように細長く、別名「紐トウ」とも呼ばれています。
その他の代表的な品種
獅子唐に代表される甘トウガラシは、その他にも日本各地で地域の改良品種されて栽培されています、なかでも京の伝統野菜「山科唐辛子」や赤色をした「赤万願寺とうがらし」、奈良大和の伝統野菜である「ひもとうがらし」、滋賀近江の「杉谷とうがらし」や海外で品種改良されて輸入されたパレモルやカレイドスコープなどがあります。
栽培のコツ
栽培期間や適正気温
獅子唐の栽培期間は長く、苗の定植からでも通常150日前後です。生育の適温は25℃から30℃前後と高温で、温暖な環境を好みます。発芽適温は15℃から25℃くらいです。
連作障害
獅子唐は連作障害が起きやすい野菜です。他のナス科の野菜を栽培したところでは3年以上いあけてください。
同じ場所でナスを育て続けると、土壌障害が発生します。よい微生物が減り、悪い微生物が増え、結果悪い病原菌が増え続けます。病原菌が増えると、特定の病原菌が作物について繁殖していきます。さらに、同じ先もつの定植を繰り返すと、悪い病原菌が大繁殖してしまい、土壌に病原菌がいっぱいになってしまい、作物の成長に悪影響を及ぼします。
栽培スケジュール
畑の準備
土つくり
- 種まきの2週間ぐらい前に畑に苦度石灰をまき土壌を中和し、よく耕します。適正土壌pHは6.0~6.5です。
- さらに7日から10日前までに、元肥を施し深く耕します。堆肥の目安は1㎡あたり約2kgの完熟たい肥です。同時に化成肥料を施肥しておくといいでしょう。
- 畑の石や木片など根の障害になるようなものは取り除いておきましょう。
畝立て
- 水はけを良くするために、幅60cm高さ10cmほどの畝を立てマルチを張ります。
- マルチを張ることで土の跳ね返りによる病気を防ぎ、土を保温し生育を促進んしてくれます。
栽培管理
種まき、植え付けと株間
- 種から育てる場合は、ポットなどに3粒以上パラパラっと播き、1cmほど軽く盛り土しておきます。
- たっぷり水をやり、本葉2枚~4枚のころから段階的に間引き、最終的に1本立ちにします。
- 家庭菜園では、獅子唐は苗から栽培するのが一般的です。少々値段は高くなりますが苗を買うときは、病気などにも強く連作障害の出にくい接木苗をお勧めします。
- 植え付けの株間は、40cm~60cmぐらい確保して、マルチに穴をあけて植えつけます。
- 植え付け後は風で倒れないように仮支柱を立ててやりす。
トンネル
- 苗が小さいうちは害虫から守るためにネットや不織布でトンネルを作っておくと、冷間対策や鳥よけ害虫対策にもなります。
仕立て方
放任して栽培する
獅子唐はナスに比べ株が小さく葉もあまり大きくなりません。真ん中に一本支柱を主枝を支えるように立てて、放任して育てることもできます。しかしながら、しっかり育て方は3本仕立てにして育てることをお勧めします。
3本仕立て
獅子唐は2本から3本仕立てや4本仕立てで育てる事ができます。中でも一番一般的なのは3本仕立てです。3本仕立ての場合は、上に伸びる主枝と、主枝の一番花が咲くところあたりの上下2本の脇芽を残して、主枝に出たその他の脇芽はすべて摘み取ります。主枝と2本の脇芽をのばして主幹から出たその他の脇芽は全て摘み取りながら栽培していきます。
支柱
3本仕立てで育てる場合
3本の支柱で固定する
3本仕立てで育てる場合、150cmの支柱を3本用意して主枝と育てる脇芽2本に沿って支柱を建てます。3支柱を互いにクロスさせるようにして土中に刺して、交わったところを麻紐やナイロンの日もなどで縛ると固定できます。3本の枝をそれぞれの支柱に沿って誘引しながら栽培するようになります。
1本の支柱だけしか使わずに3本の枝をサポートするには
株から10㎝くらい離れた場所に、主枝に沿って180cmの支柱を1本垂直に立てて、支柱の上部に60㎝~80㎝くらいの紐を2本くらいむすび、それぞれの先端にのばしている脇芽を結び付けて、上からつる下げるように結び付けて固定します。低コストで簡単に安定したサポートができます。
支柱の立て方についてはより詳しくこちらのページにまとめてありますので参照してください。
追肥
獅子唐よく花を咲かせ、たくさん実をならせる野菜ですので肥沃な土を好みます。こまめに追肥して肥料切れを起こさせないように育てましょう。獅子唐は根を深く伸ばし成長していく野菜ですので、株の周りにスコップや棒などで数か所穴をあけて施肥してあげましょう。追肥の頻度は役2週間に一度くらいで、収穫終了まで続きます。
一回の追肥量は、一株当たり化成肥料で片手一握りぐらいを目安に成長を見て行います。
また、施肥する場所は、株の成長に従って根の外周も広がっていきます。はじめは株元から10cmから15cmくらい離れたとことに与え、その後は成長を見ながら株から徐々に離れた位置に施肥していくことになります。
肥料切れや水きれを起こすと
獅子唐に代表される甘トウガラシは、一般的に肥料切れや、水きれをおこすと突発的に激辛の実をならせます。見た目は全く変わらないので、食べてびっくりな実が混じっていることがあります。肥料と水あげを忘れないようにしましょう。
収穫
品種によって若干異なりますが、実が成長してある程度の大きさになったら収穫します。どんどん収穫しないと次の花がもう咲いてきています。獅子唐は一般的にたくさん花を咲かせて、その花がほとんど実になります。
コンパニオンプランツ
〇 混植に適している植物 good
野菜類
- 枝豆
- ネギ類
- ほうれん草
花類 ハーブ類
- マリーゴールド(虫よけ)
- サルビア(虫よけ)
- カモミール(虫よけ 野菜を元気にする)
- ミント(虫よけ)
- バジル
〇 前作に植えるとよい植物 good
- トウモロコシ
- マリーゴールドなど
〇 後に植えるとよい植物 good
- キャベツ
- ブロッコリー
× 混植に適さない植物 bad
-
- ナス科全般の野菜との混植は互いに生育を妨げる
- 特にピーマンやナスは水を吸収して獅子唐に水きれをおこさせる
- トマトとは必要水分量が違いすぎて栽培が難しい